開催日:2022/7/14(木)16:00−18:00 多摩大学大学院品川よりzoom開催

品川塾「包容する都市 Embracive City」 第一回

品川塾は2022年夏より都市デザインや都市問題の実践者のチームとともに1年間(予定)のプログラムとして「包容する都市(The Embracive City)~レジリエントな都市のためのソサエイタル・イノベーション」を開催します。

品川を東京のイノベーション地区に!品川にサテライト・キャンパスのある多摩大学大学院が触媒となって企業や個人をネットワークしていくコミュニティを目指します。

そこで7月14日(木)16:00、「包容する都市 The Embracive City」をテーマに都市の専門家や実践者が品川塾に集まりました。

第一部はキックオフ。Embracive Cityのコンセプトについての紹介(紺野登、多摩大学大学院、エコシスラボ代表)がありました。
今、都市をテーマにしたイベントが盛んです。Covid-19を契機に、さまざまな問題を生じてきた20世紀型都市を超える、新たな都市の時代への変化が加速しています。しかし、そこでは機械的な合理性や都市機能中心でない新たな観点、人間や生命を包容(embrace)するコンセプトが不可欠です。
COVID19 は都市が21世紀の知識社会経済へ向かう変化を加速させました。これは単純な「都市から地方へ」といった変化ではなく、都市そのものの変質を意味しているのではないでしょうか。

続くパネルディスカッションでは、都市のイノベーションの専門家や実践者たちが、Embracive Cityに向けて、それぞれの視点と思いを共有。

本村拓人氏(グランマ、メディアサーフ):地域のネイティブ性や文化資本に着目した地域の小規模開発・再生を行っています。「個」の表現や発想で未来が創造される、そんな抱擁都市の可能性を品川から考え、これをきっかけに小さく何か実践できればと思います。

葛生善江氏(一般社団法人 空き家活用推進協会):「さまざまなプレーヤーが協働し新しい価値を生み出す」をテーマに、都市型空き家の課題解決と、人のつながりにより地域を豊かで実りあるものにするための場づくりに取り組む活動をしています。ともに考える機会になればと思います。

塩浦政也氏(建築家、SCAPE代表):都市の主役は変わります。古代の神や近世の王の都市を経て、前世紀は法人の都市でしたが、今世紀は生活者の都市であるべきで、そのデザインにもイノベーションが必要です。建築家として何ができるか?ぜひ皆さんと学び合いたいです。

齋藤敦子氏(コクヨ リサーチャー):品川港南口の企業に勤務し、異なる個人が共創する場づくりとそのベースにある働き方、学び方の研究とコンサルを行っています。社会共創をライフワークとし、多様性を育むまちをどうコ・デザインしていくのかに取組んでいます。

幸田千栄子氏(公益財団法人日本生産性本部):女性活躍を中心としたダイバーシティ推進に取り組んでおり、2017〜19年に品川塾で掲げた「エリアから女性活躍する」という新しい切り口で、イノベーションを起こすことを目指しています。都市の専門家の皆さんにご協力をいただき近づければと思います。

田邊寛子氏(景観デザイナー・まちづくりコンサルタント、「旅するうなぎのねどこ」代表):品川宿を中心に、幸せの源である「自己実現」と「人とのつながり」づくりを趣味と知的好奇心をベースに育くむ活動をしています。まちを磨く景観デザイン・コンサルが生業。自分の故郷品川区で心地よい暮らしを創るのがモチベーションです。

第三部は、都市のレジリエンスのためのメンタルヘルスとウェルビーイングについてのトークとワークショップ。インド、ムンバイと繋いで非営利団体Cities4Peace(平和のための都市)の代表マンダル・アプテ」(Mandar Apte)氏が登壇。

氏はシェルのエンジニアだったとき、社内でリーダーのためのストレスと不安を解消し、内面からの平静を得ること、つまり地に足をつけることが社会的課題と利益を両立する出発点と考えてこの活動を開始。現在はCities4Peace(https://cities4peace.org/bethechange/)でワークショップを展開。なかでも米国ABC局で取り上げられたのは、ロサンジェルスの元ギャングと警察官たちのヨガ・ワークショップ。彼らが共に語り合う場を生み出すシーンが大きな話題になりました。

当日の最後は参加者とともに呼吸法ヨガのワークショップ。

それぞれビデオが公開されていますのでご覧ください。
次回は9月16日開催の予定です。お楽しみに!

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