ビジネス実践知探究 第4講 その2(佐藤 勝彦教授) 2019年度 春学期
授業の様子
ビジネス実践知探究 第4講 その2(佐藤 勝彦教授) 2019年度 春学期
- 2019年6月10日
今日で4回目となるビジネス実践知探究、今回は佐藤教授自らの体験をお話し頂けるとのことで、学生だけでなく、編集工学研究所の方、卒業生もご参加され、教室は席が足りなくなるほど満員で、関心の高さがうかがえる。
この授業では授業の最初に前回に出された課題に対して提出された全員分のレポートが配布され、各自自分のレポートについて簡単に発表する。同じ課題に対し、自分と異なる材料の選択、視点、意見を知ることで、多角的なものの見方を自然と教えてくれる仕掛けになっている。今回は人数が多いので3,4人の小グループで発表。前回物語について学んだので、課題は1つ物語を選び、DVD等を見て、英雄伝説の形に当てはまるシーンを書き出し、物語について学んだ内容をもう一度考えてみる、というもの。一見英雄伝説には見えない作品も形に当てはめてみると意外とマッチし、物語のもつ力、普遍性を実感した。
講義に入り、先生から経営者はGood Storytelling のスキルを持っている。人はそもそも論理を理解するようには出来ていないが、物語なら理解できる、というお話で始まった。確かに、と思わず納得、皆引き込まれる。
本題は2つの大きなチャレンジとなった先生のリアルストーリーを聞く事だが、まずは当時の状況や条件をお話し頂いた後、参加者が当時の佐藤先生の立場に置き換えて、どのように対応し、解決していったかを小グループで話し合い、発表。その後、先生が実際どのようにブレークスルーしていったかリアルストーリーをお話し下さる形式で進んだ。
1つ目はまだ30代前半のとき、1980年に米国に初めて生産工場を作る時に限られた予算、期限、人材でどのようにして日本の生産現場のノウハウをどのように移転するか。
2つ目は40代前半で国内の工場で賃金が下がる新人事制度を組合員である従業員(約4,000人)、特に影響を受けるのは年配の現場組合員、彼等を納得させてスムーズに展開するにはどうしたらよいか。
だった。
グループで話し合って出た答えは、先生が実際行われたこととはやはり違っていて、短時間で考え出せるような単純なことではなかった。1つ目の課題では問題に向き合いながら、徹底して話を聞き、自分がその現場に足を運び、また考え、その過程で彼等のもつ暗黙知をすくい上げて編集したものが結果的に物語の形に近く、米国人にも伝わったこと。2つ目も本当のキーパーソンを探し、率直な情報開示と傾聴を通して、彼等との信頼関係を築き、彼等が主人公となる新しい未来や、工場長との食事会によってこれまでの感謝を示すことで自発的な会社への協力を促せたこと。フィクションでない物語、リアルストーリーは本当に真摯に課題に向き合い、真剣に解を探していったからこそ人を動かすことができた物語だと実感。
最後に1人ずつ質問又は一言を伝える時には、教室には単純にすごい!という驚嘆だけでなく、自問や物語の咀嚼などもっと深い部分で参加者の心に響いていることが感じられる空気感が広がっていた。単に知識を得るだけではない学びがこの授業にはある。
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