ビジネス実践知探究 第3講 その2(佐藤 勝彦教授) 2019年度 春学期
授業の様子
ビジネス実践知探究 第3講 その2(佐藤 勝彦教授) 2019年度 春学期
- 2019年5月21日
元来私は汗かきでこれから夏の季節はハンカチが手放せないのだが、この講義は毎回脳みそが汗をかきまくっている。講義終了後はヘトヘトだ。でも疲労感がそのまま充実感になる。
これまでの三回は主に編集工学。次回以降は業界の名だたる方々が自らの経験を惜しむことなく語り尽くしてくれる。
まさにビジネス実践知探究。いまからワクワクが止まらない。
さて、第三回目の講義は以下の内容であった。絵心と思考センスは無関係だ。そうであってほしいと願った三回目の講義であった。(実際関係ない、と先生が最後におっしゃってくださったことにとても救われている)
■第二講の宿題発表
各自宿題であった、探究型読書「Quest Reading」を実践し、そのレポートを発表した。「Quest Reading」とは何かは
「ビジネス実践知探究 第2講 (佐藤 勝彦教授) 2019年度春学期」のページを参考にしてほしい。各自それぞれ新書を選び、「Quest Reading」についての感想を述べる。これだけでも発表者分計12冊の本の内容が頭に入ってくる。Quest Reading恐るべし。本が主役ではなく自分が主役。自分の問題意識(アウトプット)を想定してインプットしていくことで理解が深まっていく。全員が発表し共有することで、ネットワーク効果も得られたし、改めて武器としての読書法の大切さを学んだ。
■第三講講義
今回は「物語という方法」について。物語とは、編集工学では、時間の軸に沿って表現する”言葉の技術”と呼ぶ。つまり時間を超えて大切なことを後世に残すための技術。情報の保存・伝達装置とも言える。
同じように個人個人の内側にも物語回路というものが備わっている。人は物語回路を通じて、物事をすっーと理解することができるのだ。
誰かにメッセージを伝える時も同じで、相手の物語回路に働きかける、意識することで相手に伝わりやすくなる。
企業の広告宣伝も同じ手法だ。今回のワークショップは「ブラインドスケッチ」と「カット編集術」「ブラインドスケッチ」はコミュケーションは齟齬が起こることを前提とし、一人の語り手が複数の聞き手に写真の情報を言葉でのみ伝え、聞き手はその情報をもとにスケッチをしていく。もちろん聞き手は写真の映像は見れない。
このブランインドスケッチのポイントは以下だ。
聞き手は
1.相手の思考プロセスをたどる。つまり、出てきた見解結論(アウトプット)と切り分ける
2.思考プロセスを取り出して共有する。つまり「地」を尊重する。
3.思考プロセスに手を加える。つまり相手の「地」を動かす。
出来上がったスケッチは三者三様。物語回路が人により異なるのだ。もう一度言うが絵心と思考プロセスの関連性はない。(と信じている)
「カット編集術」のワークでは物語回路には気持ちのいいパターンがあり、
「英雄伝説の型」があることを学ぶ。
これらのワークショップを通じ、自分の思考回路の発展方法、相手の思考プロセスを意識した伝え方のアプローチを学んだ。さらに、この考え方は思考プロセスだけではなく、自分の人生にも応用が可能であり、自分自身の物語も書き換えていくことが可能である。アイデンティティからナラティビティへ。自分が自分でいることも大切だが、いつでも書き換えていけるということを知っているのも大切なことである。
以上